1998.3.4. ■中国内陸のサイエンスパーク その3〜軍転民と日系企業■ 現在のところ科学城や三線企業は、国防関係ということで対外的には未だ 閉鎖性が強いが、彼らの蓄積した技術を国内外の民間需要への供給に活かしていきたい とする意欲は高まっている。 今後の「軍転民」と「国有企業改革」「内陸地域の振興」が絡み合う中で 外資企業の投資と、どのようなパートナーシップを組んでいくかが模索されよう。 この点、本田技研の嘉陵機器廠への二輪車生産の技術援助、さらに中国嘉陵工業(集団)有限公司 との合弁事業「嘉陵本田発動機有限公司」には熱い視線が送られている。 そして、綿陽市最大の企業である長虹電子集団公司(旧304廠)のカラーテレビの 生産技術は松下電器産業と、エアコンについてはサンヨーとそれぞれ技術提携をしており、 さらに東芝とDVDの技術提携もなされたところである。 日系企業への期待は十分高い。 今後の日系企業の内陸地域への進出は、これまでの沿海地域への進出パターンの 主流であった「労働集約型・加工組立型 / 海外市場輸出基地 / 軽工業・弱電分野」に加え、 内陸地域の場合は「技術集約型 / 国内市場供給基地 / 重工業分野」といった 新たな関わり方が求められている。 (終わり)